休職したくなったら
業務過多で心身ともに疲れてしまった、どうしても身体が重たくて会社に行きたくない、そんなとき無理は禁物です。まずは自分の所属する会社の就業規則を確認し、休職の申請方法を確認しましょう。
休職とは、雇用を断ち切らずに一定期間休みをとれる制度のことですが、有給ではなく無給で休むこととなります。雇用は継続されるため、社会保険の支払い義務は発生するので注意が必要です。
休職する場合には医師の診断書をもらおう
企業によって制度は異なりますが、自主的に休職を申し出る場合は、精神科などの医療機関に出向き診断書を書いてもらいます。自分で懇意にしている医療機関を探しても良いですが、一般的には企業に産業医という専門医師がいるので、産業医に診断書を依頼することがスムーズです。産業医とは、一定人数のいる企業には専任を置くように義務付けられており、労働安全衛生法の中でストレスチェックの実施も義務化されています。
休職の間は定期的に会社へ連絡が必要
診断書の提出または産業医から企業へ一報を入れることで休職を開始できます。申し出をする先は、人事部・総務部などの決まりはなく企業ごとに異なります。
また休職中はあくまでも療養期間であり、会社との雇用関係は保たれるため、人事部や上司と連絡がとれる状態にしておく必要があります。万が一、上司のパワハラなどが起因で休職に入るため、上司と連絡をとることが適切でない場合は、産業医を通して連絡をすることが可能です。
休職中には傷病手当金が支給されるケースも
休職の場合、まずは有給消化してから休みに移行していきます。働けない期間、給料が途絶えてしまうにも関わらず、社会保険など負担が必要なものがあるため金銭的に厳しくなる可能性が高いです。
そのため、これら働けない人を守るために傷病手当金が用意されています。必ずしも全員が付与されるお金ではありませんが、ハローワークにて所定の手続きをすれば一時金を受け取ることが可能です。
傷病手当金をもらう条件
傷病手当金を受け取ることができる条件は、以下の通りです。
- 業務外の事由による事故やケガの療養のため
- 仕事に就くことができない
- 連続する3日間を含み、4日以上仕事ができない
- 休業した期間に給与支払いがない
この4つを満たしたときに初めて、傷病手当金を受け取る権利が与えられます。
傷病手当金の支給期間
傷病手当金は、支給開始日から最大1年半年間受け取ることができます。この期間が設けられている理由としては、休職はあくまでも現在の職場に復帰することが前提の制度だからでしょう。永久的に傷病手当金を受け取れてしまうと、働かなくても良いという判断になりかねません。
休職が認められない場合は
メンタルヘルスや、やむを得ない事故やケガの結果、休職をしたいのに会社側が拒否をするケースがあります。休職が認められない場合とは、どのような状況なのか理解しましょう。
そもそも休職制度がない
実は、休職制度は法律で定められていません。会社独自の制度として設けられているか、労働組合などで設定されているのかを確認する必要があるでしょう。
休職は解雇までの猶予期間と理解する
残念ながら、休職を申し出るということは「仕事をすることができない」という意味、すなわち企業はあなたを解雇することも可能です。しかしやむを得ない事情のため解雇をしない、すなわち休職は解雇までの猶予期間としてとらえるべきなのです。労働者側が必ず取得できる有給の権利とは異なり、休職制度はあくまでも企業と協議の上で進めるべき事項であると認識しましょう。
長期にわたり休職が続くようなら転職・退職を
ケガの完治日が分かっている、少し休めばなんとか復職できそう、という場合であれば問題ありませんが長期的に休職となる場合は転職を検討しましょう。休職の理由が明らかに今の職場環境にあり、その改善の余地がないのであれば、あなたに与えられる選択肢は以下の通りです。
- 転職をする
- 再度同じ職場に復帰するが、業務量など調整をしてもらう
- 配置転換をしてもらう
休職中は企業との雇用関係が結ばれているので、むやみやたらに転職活動を行うことはマナー違反ですが、療養の間に自分の人生を見つめ直すこともひとつの選択肢でしょう。
今回の要点
- 会社の就業規則や総務などに問い合わせて、自社の休職制度を確認することが重要
- 休職をしたいときは産業医や最寄りの医療機関で診断書を受け取ろう
- 傷病手当金は最大1年半年間受け取れるが復職が難しければ無理せず転職・退職も検討を
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