転職の多さをマイナスにしないためには?
一般的に採用担当者は転職の多さをマイナスポイントとして見ています。もちろん会社都合のケースや家庭の都合、そして自己都合など退職の理由は人によりさまざまであり、やむを得ず職場を去らなければいけない時もありますが、会社を辞めたという事実は変わりません。しかし諦めてはいけません!実は、マイナスポイントを逆手に取ってアピールポイントにしてしまう方法があります。
採用担当者が気にするのは転職回数が多いか少ないかではなく、自分本位に退職していないかどうかです。たとえば、これまでの経験を通じて取得したスキルを、新たに活用できる場所を求めて転職している、ということをうまく伝えなければなりません。そのスキルが応募企業に有益となることを職務経歴書には記載する必要があります。そうすることで転職回数がアピールポイントになり、採用担当者の、あなたの職務経歴書を見る目が変わってきます。
職務経歴書の作成ポイント
転職回数が多い場合、作成するのに困るのが職務履歴書です。転職回数が人より多いと感じる方は、「キャリア式」の職務履歴書を選び、これまでの経歴を職務内容に分けて整理しましょう。採用担当者の目を、転職回数ではなく、「なにができるか」に向けさせます。常に採用する側のニーズを考えた上で職務経歴書を作成してみることが効果的です。
転職回数が多い人は「編年体式」ではなく「キャリア式」がおすすめ
転職回数が多い人に「編年体式」ではなく「キャリア式」をおすすめする理由は主に2つあります。
1つ目は、キャリア式だと業務内容やプロジェクトごとに分けて書くことができ、採用担当者をこれまでの経歴と業務内容に着目させることができる点です。編年体式だと、時系列で入社や配属について書かなければならず、転職回数が多ければ多いほど際立ってしまいます。
2つ目は転職先の業界がバラバラだったとしても、キャリア式ならば自分自身の仕事に対する姿勢を軸に書くことができる点です。たとえば、食品や教育、ITというようにこれまでの就業してきた業界がバラバラだと、業務内容に一貫性を打ち出しにくくなります。しかしキャリア式だと、何を目標として、どのように活動してきたかを軸に職務経歴書を作成することができます。このような書き方は編年体式ではできない書き方です。
職務経歴書はA42枚程度にまとめる
転職回数が多いケースだと、経験してきた業務も多くなり、全てを職務経歴書に書こうとするとA4用紙4~5枚にもなってしまうでしょう。しかし、採用担当者は多数の応募者の職務経歴書に目を通しています。そのため一人の応募者にかけられる時間は非常に限られているため、短い時間に採用担当者が斜め読みをしてもひと目で経歴がわかるよう、職務経歴書はA4用紙2枚程度にまとめておきましょう。
職務内容に分けて整理する
キャリア式を書く際に軸となるのは、「職務内容」です。履歴書や職務経歴書を見る際に、転職回数に目を奪われる採用担当者が多いのは事実でしょう。そのため転職回数に目を向けさせないよう職務内容をメインとした職務経歴書を作るように心がけましょう。
キャリア式で職務経歴書を書いたことがある人も書いたことない人も、まずは細かく編年体式で自分の職務内容を書き出してみましょう。職務内容を書き出したら、類似した業務内容に分けてみてください。そして応募企業にはどんなニーズがあるのかを念頭に置き、そのニーズに対してアピールできる内容を書いていくとよいでしょう。職務内容も、単にやってきたことを書くのではなく、具体例を盛り込んでいきます。業務の中でどのようなことを行ってきたか、その結果どのような実績をもたらしたのかを書いていきます。業務内容や自身のスキルがレベルアップしたことを正しく伝えられれば、転職回数の多さをカバーすることができるでしょう。
採用担当者の懸念を払しょくするポイント
採用担当者が転職回数の多い人に不安を感じるポイントは主に2つです。
1つ目はせっかく採用したのに早々と辞められてしまうのではないかという不安、2つ目には、実は何もできない人を採用してしまったのではないかという不安です。採用活動に対し、企業は多額のコストをかけています。当然のようにコストに見合わない人材は採用したくないと考えているでしょう。自分は応募企業のニーズに合致しているのだ、ということをきちんとアピールし、採用担当者の懸念を払しょくできるようにしましょう。
退職理由を明確に記載する
職務経歴書に退職理由を書かない人もいるようですが、退職理由は明確に記載したほうが無難です。採用担当者は、懲戒免職などのトラブルで退職していないだろうか、また簡単に会社を辞めたのではないか、周囲に対する不満を理由に辞めたのではないかといったことをきちんとチェックしています。会社にとってマイナスになる人材を採用したくないのは当然のことです。
そのため、退職理由を書く際には志望動機につながる前向きな理由を書きましょう。「これまでの知識を活かした仕事に就きたいため」や「異動により自分が目指していたキャリアを築けないためやむを得ず退職した」など、自分が仕事をしていく上で支障ができたことを理由にするのも良いでしょう。本当のことであっても、後ろ向きの理由は書くべきではありません。退職理由も、前向きな姿勢で転職活動を行っていることの自己PRである、ということを意識してみてください。
これまでの実績を具体的に記載する
さらに、職務経歴書には経歴のみを書くのではなく実績を具体的に記載するようにしましょう。転職回数が多いということは、実際に業務に携わっていた期間が短いということを意味しています。それは採用担当者も承知していることで、その短い時間にあなたが何を成し遂げたのかを知りたがっています。単に経歴だけでは何をしてきたのかがよくわからず、採用担当者に「何ができるのか」を伝えることはできません。いつ、どんな業務を、どのように行い、どのような結果をもたらしたのか、を具体的に記載しましょう。
手持ちのスキルで自分に何ができるかをアピールする
転職回数が多いということは、それだけ多くの業務に触れ、色々なスキルを身につけてきたことになります。それは高度なスキルでなくても良いのです。一つひとつの業務経験は浅くても、手持ちのスキルを組み合わせれば新たなスキルとなります。そのスキルで自分には何ができるのか、をしっかりアピールしてみましょう。その際にも、応募企業側が何を求めているのかを常に考えることで、採用担当者にあなたのスキルがこの会社で役に立つことをより強くアピールすることができます。
転職回数が多い人のための職務経歴書サンプル
この記事でもおすすめしたキャリア式の職務経歴書のサンプルを用意しました。書き方に困った場合は、このサンプルを参考にしてみてください。
今回の要点
- 転職回数の多さは必ずしもマイナスにはならない
- 職務経歴書はキャリア式を使うのが好ましい
- 相手にマイナス面を見せるのではなく、スキルアップや前向きな意欲をアピールする