求人数が増える時期とその理由
1年間の中で、求人が増える時期は複数存在します。増える時期とその理由を見ていきましょう。
〇1月~3月
年明けから企業は求人募集を加速させていきます。年間を通してみると、この時期は1番求人数が多くなります。
理由:
・年末退社や3月末の退社が多い
→年末のボーナス退社を狙う人が一定数いる。3月末を期末にしている企業が多く、区切りがいいので、年度末に退職を申し出る人が多い。
・採用予算を使いきりたい
→3月末までに年度の採用予算を立てており、すべて消化しきりたいと考える企業がいる
・人事異動を行いポジションが空くため
→3月は一般的に移動が多く、組織体制そのものを立て直す企業が多い。
〇5月GW明けから6月にかけて
一般的に、大型連休明けは求人が動くとも言われています。ゴールデンウイークの後に採用が活発化する理由は以下の通りです。.5倍まで落ち込みながらもその後は上昇を続け、2018年8月の時点では1.6倍を超える高い数値を示しています。
理由:
・新卒採用がうまくいかなかったため、第二新卒枠および中途採用で人数を補填したい
・4月から採用計画を立てはじめ、年間計画が整ったタイミングが5月~6月のため
・9月入社を狙った採用活動をするため
→転職活動は書類選考~内定まで3ヶ月ほどかかります。夏前に採用した人は秋入社となるので、年度の後半で人員強化したい場合は5月~6月に求人募集を開始する傾向が見られます。
・6~7月に賞与を貰う会社が多く、ボーナス退社を狙う人が一定数いるため
〇8月お盆明けから9・10月にかけて
続いて、秋採用が盛り上がる理由について確認していきます。
理由:
・夏休みは多くの企業が行楽、お休みモードに入る。休み明けから採用に本腰を入れる企業が増えるため
・前期が終わり、人員計画を振り返る企業が多い中で、後期の売上達成のために人員強化したいと動き出すため
・夏の賞与時期に辞めてしまった社員の補填のため
・留学生や院生で秋に卒業する人もいる、その人たちを囲い込みたいから
・9月~10月は社内の人事異動が増えるシーズン。3月と同じく社内人員を調整するため
このように、大きく見ると3回採用のピークがあると言えます。しかし、職種別に見ると時期に問わず大量募集しているところ、募集をほとんど行わないところに分かれるので注意しましょう。
求人数が停滞する時期とは
逆に、求人の動きが停滞する時期はいつでしょうか?
〇年末年始
実は、求人募集自体は年間通して動いていることが多いです。強いて言えば、年末年始は完全にお休みモードになるので求職者も、企業も動きが鈍る傾向があります。しかし、年末年始に帰省をしたり、忘年会・新年会で知人に会ったりする中で、自分自身の仕事を見つめ直して転職を決意する方は少なくありません。
年明けとともに、新たな職場を探そうと意気込む求職者は意外と多いのです。
〇GW、お盆など大型連休中
とりわけ飲食、宿泊、レジャーなどのサービス業は稼ぎ時のシーズンとなります。この時期は売り上げを追うことがメインとなり、連休前後で採用を行う企業が多いです。
求人数が多い時期の転職はハードルが低くなる?
求人数が多い時期は、求職者にとってメリットはあるのでしょうか?実は、求人数が多いからと言って、転職のハードルが低くなる訳ではありません。
企業が採用活動を活発化させる理由は大きく二つで、「欠員募集」か「増員募集」です。欠員募集であれば、求職者の動きに合わせずに、とにかく納期を決めて採用をしようと動いていきますが、増員募集の場合は、今すぐ採用しなくても大丈夫と多少なりの余裕があるので、求職者が動く時期を狙って募集を出します。
つまり、企業が求人を出す時期は、求職者の人数が多い時期を狙っているというケースが考えられるのです。こう考えると、求人数が多い時期は、ライバルになる転職者も多くなる可能性があるので、逆にハードルが上がるという見方もできます。
計画的に準備を進め、タイミングよく活動開始!
1年間を通してみると、1~3月と9月前後の秋採用、5~6月の夏前に焦点を当てると良い、ということが分かりました。転職活動は、1日~2日で終わるものではありませんし、応募書類の作成など時間がかかるものです。逆算しながらスケジュールを立て、計画的に転職活動を開始するようにしましょう。
最新情報は転職エージェントが有効!
転職市場の動向は、ネットリサーチでは見えづらく、企業ごとの動きに差があります。あなたの希望業界、職種の細かい状況については、転職のプロである転職エージェントを通して知るようにしましょう。
今回の要点
- 求人の増える時期は、1~3月・5月~6月・9月~10月の年3回がねらい目
- 求人数が多い時期はライバルが多いので、必ずしも転職が有利になるわけではない
- 希望業界、職種ごとの求人状況は転職エージェントに確認しよう