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最初の条件と違う⁉︎求人票との相違で泣き寝入りしないために

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求人票の記載内容と、実際の労働条件が違うといった申し出は、年々増加傾向にあり、平成27年度にハローワークや関係窓口に寄せられた相談は、1万件を超えています。しかし、求職をする立場として、面接時や入社後に労働条件の相違について企業に申し出るのは、気が引けてしまうという人もいるでしょう。では、このようなときに労働者は泣き寝入りするしかないのでしょうか。ここでは、労働条件の相違についての対処方法や、重要なポイントなどをご紹介します。

よくありがちな条件の相違とは

求人票に提示された労働条件と実際の労働条件が違う場合、具体的にはどのような相違があるのでしょうか。良くありがちなパターンとして、次のようなものがあります。

  • 求人票では正社員の募集だったが、実際は契約社員だった
  • 残業はほとんどないと聞いていたが、実際は残業があるのが普通だった
  • 基本給の額が、残業代の含まれた金額だった
  • 聞いていた給与の額より少なかった
  • 完全週休2日制と聞いていたが、隔週の土曜日は出勤しなければならない状況だった

これらは1つの例ではありますが、いずれも、労働者の立場からするとたまったものではありません。しかし、求人票で提示されている内容というのは、1つの「見込み」であり、すべての採用者に適用されるものではなく、求人票の労働条件と、実際の労働条件に相違があること自体に違法性はないという見方があります。面接時に、応募者が企業側の望むレベルに達していなかったなどという理由から、労働条件を見直して提示し、採用するのであれば問題がないのです。しかし、応募者を集める目的などで、虚偽の広告、虚偽の条件の提示によって労働者を募集した場合は、罰則が設けられています。(職業安定法第65条第8号)

労働基準法に抵触する深刻な相違とは

求人票の労働条件は「見込み」であり、実際提示された労働条件と異なっていても違法性はないと前述しましたが、「労働条件の明示」内容と実際の労働条件が異なっているとなると話は違います。ここでいう「労働条件の明示」とは、労働条件を書面で表した「雇用契約書」や「労働条件通知書」を指します。実際の労働条件が違う場合、労働者は明示された条件通りにするよう会社に要求する権利があります。(労働基準法第15条)

「今、資金繰りが厳しいので、来月から給与を減らす」というような、会社側の一方的な労働条件の変更についても同様です。労働者に不利益な条件に変更することは、労働契約の約束違反として認められるのです。しかし、労働者の同意があった場合は別です。会社から一方的に労働条件の変更を突き付けられたにもかかわらず、それを黙認して働き続けると、同意があったとみなされてしまう場合があるので注意が必要です。気になることがあれば、速やかに会社に確認することが重要です。

入社時の「労働条件の明示」が重要ポイント

求人票に記載のある労働条件は不特定多数の人に対して提示しているものですが、「雇用契約書」や「労働条件通知書」は労働者へ個別に労働条件が明示されている重要な書類です。採用試験や面接などの結果を考慮し、企業者が応募者の能力や適性を見極め、その結果を踏まえた労働条件が、最終的に「雇用契約書」や「労働条件通知書」に明示され、両方の合意が得られた上で労働契約が成立します。

また、労働契約を結ぶときは、企業が労働者に労働条件を明示することが義務付けられています。口約束だけでなく、書面で交付することが労働基準法で定められています。(労働基準法第15条)内定後、雇用契約書や動労条件通知書が発行されない場合、企業に提出を求めましょう。書面がないと、後に労働条件の相違があっても、それを証明することが難しくなります。
また、書面には下記の内容が記載されていることが重要なポイントとなります。

  • 契約期間はいつまでか
  • 契約に期限がある場合の更新について
  • 就業場所と業務内容
  • 就業開始時刻と終了時刻
  • 残業の有無、休憩時間、休日、休暇
  • 賃金の決め方、計算と支払方法、締日と支払日
  • 退職に関する決まりごと

上記の内容が記載されていることを確認し、納得した上で契約を交わしましょう。

ケース別トラブルにどう対処するべきか

実際の労働条件が違う場合、発覚したタイミングによっても対処方法が変わってきます。ケース別に見ていきましょう。

面接時の説明で条件の相違に気がついた場合

面接時の説明で、労働条件の相違に気が付いた場合、その場で企業側に確認するのが1番です。企業側が単純に間違えているという場合もあるからです。しかし、採用を希望する立場としてはなかなか確認しづらいでしょう。そのようなときは、ハローワークで紹介された求人の場合はハローワークへ、転職エージェントの場合は担当の転職コンサルタントへ相談しましょう。事が進んでしまうと取り返しがつかないことになってしまうので、発覚した時点で速やかに対処することが大事です。

内定決定後、契約書で相違に気づいた場合

内定決定後、「雇用契約書」や「労働条件通知書」の内容で相違に気づいたときは、企業側に申し出ます。それでも改善されない場合、ハローワークの求人であればハローワークに相談するのも手です。改善がないようであれば、内定辞退も考えましょう。せっかく内定が決まり、再度転職活動をするのは手間ですが、従来の労働条件と相違のある労働契約を結ぼうとしている企業に残って働いたとしても良い結果にはなりません。

入社後に条件の相違に気づいた場合

このようなケースも、まずは会社に申し出ましょう。それでも改善がない場合は退職を検討します。
本来、退職に関しては就業規則等で退職の何日前に申し出なければならないかが明記されていますが、今回のように「雇用契約書」や「労働条件通知書」の内容と、入社後に実際働き始めてからの条件が違っていた場合は、契約した労働契約をすぐに解除することができます。

労働者が自由に退職することができる権利は法的に認められており、会社が無理やり退職を引き留めることは違法です。後任が決まるまで引き止められたり、損害賠償を請求するなどと脅されたりしても、対応する義務はありません。また、給与の額が提示されていたものより低かった場合、場合によっては企業に差額を請求することもできます。

ハローワーク求人ホットラインとは

ハローワーク求人ホットラインとは、ハローワークの求人票の内容と、実際の労働条件が異なっていた場合の相談窓口です。平成26年3月に開設され、現在は年末年始を除く全日受け付けられています。労働条件の相違があった場合は泣き寝入りせず、すぐにハローワークに相談しましょう。それにより、ハローワークから該当の企業に是正が指導されます。それでも改善がされない場合は、企業名を公表されたり、ハローワークを介しての求人も募集できなくなったりするので、企業にとっては痛手となります。

今回の要点

  • 労働条件を明記した「雇用契約書」や「労働条件通知書」の発行は企業の義務であり、発行されない場合は請求することができる
  • 面接時に労働条件の相違に気づいた場合は、速やかに企業に確認するか、紹介元のハローワークなどに相談する
  • 「雇用契約書」や「労働条件通知書」と、実際の労働条件が異なっていた場合、労働者は書面通りの労働条件にするよう請求する権利がある
  • 労働条件の相違について会社に申し出たにもかかわらず改善がない場合は、ハローワークなどの紹介元に相談する
  • 労働条件の相違により退職を希望する場合は、即、労働条件の解除が可能
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