社会保険について
国民皆保険制度の日本では、国民健康保険もしくは社会保険に加入する必要があります。たとえ離職期間が1日だけだったとしても、無保険になることはできません。
社会保険とは
社会保険は、業務外で怪我や病気をした時に使用する医療保険だけではなく、様々な種類があります。
社会保険の加入対象となるのは、企業に勤務している会社員と、従業員5人以上の個人事業所で働く従業員です。勤務日数や時間によっては、正社員以外にもアルバイトやパートが加入の対象になるケースもあります。また、社会保険では、被扶養者が何人いても、被保険者の健康保険料は増加することはありません。被扶養者は配偶者だけではなく、親族も対象になります。
社会保険の種類
社会保険には、医療保険をカバーする健康保険だけではなく、厚生年金保険、介護保険があります。また、広義の意味で社会保険を指す場合には、雇用保険、労災保険といった労働保険も社会保険に含まれます。
退職時に必要な社会保険の手続きについて
社会保険の手続きは、以下の3通りに分けられます。
退職後すぐに再就職する場合
社会保険の資格を喪失するのは退職日の翌日なので、退職後すぐに再就職する場合には、ブランクが空かないことになります。そのため、会社が手続きを行ってくれます。手続きには保険証が必要になるので、退職時に忘れずに、自分と家族の保険証の返還をしましょう。
再就職までに期間があく場合
再就職までにブランクがあり、国民保険に切り替える必要がある場合には、前職の会社が社会保険の資格喪失手続きを行ってくれます。「健康保険 厚生年金保険 被保険者資格喪失届」と共に保険証を提出するので、返還を忘れないようにしましょう。
国民保険に加入する場合には、自治体の窓口で手続きをする必要があります。退職の翌日には社会保険の資格を喪失してしまい、その日から国民保険の保険料が掛かります。手続きは早めに済ませるように心がけてください。
家族の扶養になる場合
家族の扶養に入る場合には、扶養者の勤務先に届け出を行います。税法上の配偶者控除を受けられるのは収入が103万円以下ですが、社会保険の扶養になる場合には、収入が年間106万円以下もしくは130万円以下である必要があります。106万以下の場合であっても、週に60時間以上働いているなどの条件を満たす場合には、勤務先の社会保険に加入する必要があるなど、条件が細かく定められているのです。
また、扶養される人の収入が扶養する人の収入の1/2以下でなければいけません。そのため、収入を証明する書類や住民票などが必要になります。ご自身が扶養に入ることができるのか、事前にご家族の会社に問い合わせをしておくのがおすすめです。
転職・退職による社会保険で注意するべきこと
社会保険の手続きには期限が決められていたり、条件が制定されていたりするものがあります。手続きをする前に必ず条件や必要書類を確認しておくのがおすすめです。
「国民健康保険」と「任意継続保険」について
退職から新しい職場で働くまで期間が空く場合には、国民健康保険に加入するか、社会保険の任意継続をする必要があります。
社会保険を任意継続する場合には、入社から退社まで2ヵ月以上社会保険に加入している必要があり、任意継続の期間も2年間と決められています。また、退社すると企業が負担してくれていた保険料の折半分も自分で払う必要があります。
その上で任意継続をしたい場合には、資格喪失日から20日以内に「健康保険任意継続被保険者資格取得申出書」を提出する必要があります。期限が過ぎてしまうと、国民健康保険へ加入しなければなりませんので注意してください。
退職後の年金について
退職後に再就職をしない場合、または再就職までにタイムラグがある場合は、厚生年金から国民年金への切り替えが必要になるので注意してください。退職日から14日以内に、自治体の窓口で手続きを行いましょう。その際、年金手帳や離職票などの退職日が確認できる書類、印鑑や身分証明書などを持参します。
一方、退職後に再就職をし、それまでにタイムラグがない場合には、会社が手続きを行ってくれます。
また、家族の扶養に入る場合には、国民年金の種別変更が必要になります。会社勤めをしている方は「第2号被保険者」ですが、扶養になると「第3号被保険者」となります。厚生年金から国民年金への切り替えと同じ書類を持参して、自治体の窓口で手続きをしてください。
公的手続きをしっかり取って、安心できる転職を
公的手続きをしっかりと取ることで、安心して仕事や転職活動に取り組むことができます。各手続きには、それぞれ期限が設けられていますので、退職後なるべく早めに手続きを済ませるように心がけてください。
今回の要点
- 社会保険には、健康保険・厚生年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険がある
- 退職後すぐに再就職する場合には、会社に手続きを任せられる
- 退職後ブランクがある場合や退職後家族の扶養に入る場合には、自分で手続きを行う必要がある
- 手続きには期限があるので、なるべく早く行うことが大切
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